放射能測定器でヨウ素を調べる

ヨウ素という言葉を福島原発事故以来、しょっちゅう見かけるようになりました。

ヨウ素といっても放射線を出すものとそうでないものがあります。

今問題にしなくてはならないのは、ヨウ素131とかヨウ素133と呼ばれる放射能物質のほうです。

ヨウ素131は半減期が8.06日、ヨウ素133は20.8時間で、いずれも原発でウランを燃やすことによって生成されます。

福島第一原発事故だけでなく、チェルノブイリ原発事故でも当然問題になりました。

半減期の小さいヨウ素が最初広い範囲で検出され、時間がたってくるとセシウムに変わっていきます。

放射性ヨウ素は空気から吸入する以外に、雨によって植物や土壌が汚染され、例えば牧草を食べる牛のミルクからも出てくるようになりました。

甲状腺がまだ小さくこれから発達する乳児や幼児に大きな放射線障害なる、白血病やガンをもたらしました。

ヨウ素は甲状腺に集まるという性質があるためです。放射性ヨウ素も目に見えないですし、急性障害でない限り影響を受けているのかどうかすらその時点ではわかりません。

晩発性障害といって、2,3年あるいはその後何年もたってから発病します。ただ全員ではなく確率的なものです。

こういった放射線による障害はヨウ素に限らず、内部ひばくと呼ばれます。


ヨウ素は実は揮発性の物質のため、空気中に漂いその後、口や鼻から入り込むか、あるいは放射性ヨウ素で汚染された食品を食べる、または飲むなどで体内に溜まっていきます。

またヨウ素は活性炭に集まることがわかっています。

ヨウ素を検出するには、活性炭カートリッジとか活性炭ろ紙を使って集めるという方式をとり、ヨウ素の放射能測定器としては、NaI(Tl)シンチレーション検出器が最近よく使われてます。

NaI(Tl)シンチレーション検出器は、ガンマ線のエネルギーに比例した電圧を発生させてカウントする仕組みをとっています。

ベータ線を確認することは、この方式(NAI(TI)シンチレーション検出器)では難しいようです。

放射性ヨウ素は、ベータ線もしっかり放出して電離作用、つまりDNAを壊す力は非常に強力なことが知られています。

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